25.JAN,2024

先週の共通テスト監督官の振休(その2)を活用し、久しぶりに理科大神楽坂キャンパスへ。自分の博士号授与式以来だ。今日は後輩の横山一晃くん(以下、一晃)の博士論文公聴会の拝聴が目的。本論はかなり急ぎでまとめたはずなのだが論旨がよくまとまっていて明快で、とても面白かったと思う。とくに論文の序論で、桂離宮を例に、ウサギアヒル図のような図と地の反転がたんなる図的なものではなく、時間的な継起する経験でも可能である……と語られてたことが印象に残っている。論文の主軸は回遊式動線をもった戦後住宅作品という大量のサンプルを事例に、階段と扉というエレメント起点にしてトポロジカルに空間構成を分析するもの。回遊式動線において「あそこに自分がいた」ことをもたらすのは吹き抜け(桂離宮で言えば松琴亭と月波楼の関係のような、動線的な構造を視覚的に短絡する起点)だろうということで、吹き抜け研究が待ち遠しいところだ。無事に発表が終了した後、近くの中華屋で岩岡先生や片桐先生と一緒に一晃を囲む。最後の博士課程の学生ということで、岩岡先生も感慨深そうにしていた(気がする)。