FEB.22,2021_ノーツ 第一号 「庭」

 雑誌をだしました。ブログでちょくちょく進捗報告してたものです。長い道のりでしたが、ようやく刊行できました。下のページから詳細をみることができます。発送は3月初旬を予定していますが、すでに予約は可能です。数に限りがあるので、ぜひ早めにご予約いただければと思います。

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https://notesedition.tokyo/

 毎号ことなるテーマを設定し、インタビューと注釈を集めるというコンセプトの雑誌で、名前を『ノーツ』といいます。一年に一冊ほどでペースで刊行しようと考えていて、第一号は「庭」を取り上げました。インタビュイーは庭師であり美学研究者である山内朋樹さん 、都市生態学を専門とする曽我昌史さん、音楽家であると同時に人工知能の最前線に立つ土井樹さん、鳥取の山奥に移住し独自のコミュニティを形成している料理家の城田文子さん。この4人に加えて、写真家の高野ユリカさんに「庭」をテーマに作品の制作を依頼し、C.TH.ソーレンセンの未邦訳の論考の抄訳も掲載しています。高野さんの作品とソーレンセンの翻訳に関しても、「対話」という意識で本に収録しています。つまり、6人の専門家との庭に関する対話を集めた雑誌、ということになります。
 
 注釈は人名や専門用語の解説、インタビュー内容の考察、論文や小説、日記からの引用、写真、イラスト、漫画など、非常に多岐に渡っています。ノート(note)という言葉には記録や注、覚え書きといった意味がありますが、この本は、様々な技術や知識、経験をもった人々との対話の記録と、それに併走するたくさんの注釈を束ねています。だから、ノーツ。

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△ 左ページが対話の内容、右ページが僕らが追加した注釈。両者が常に併走するという形式。プリントは自前のリソグラフで、この二色しか使えない印刷機の特性を最大限活かしたものになっています。岡崎真理子さんと後藤尚美さんによるすばらしいデザイン。
 

 インタビューの実施から文字起こし、編集、図版の制作、注の執筆、校正、翻訳、印刷、製本、ホームページ制作、販売、発送まで、自分たちでやっているのですが、第一号は右も左もわからず、ものすごく大変でした。著者である僕らは無名の建築家で、制作資金もほとんどない状況だったので、ひととおり自分たちでやるしかなかったのでした。流通どうするのとか、いまだによく分かってないことも多く、現在進行形で困っている最中ではあるのですが。

 でも、書籍の制作はたいへん勉強になりました。とにかく編集者の偉大さを身にしみて痛感しました(第二号までに助けてくれる人が見つかれば……と思うのですが)。ちなみに個人的には大学のジャズ研の先輩である土井さんと一緒に本をつくれたことがとてもうれしかった。

 伝はないですが、これから店頭販売を目指し営業もやっていくつもりです。本屋さんに並んで、いろいろな方が手にとってくれるといいなと思います。