JULY.17,2020_あたらしく住んでいる場所について

 引っ越しも終わって、生活が少し落ち着いてきた。まだ一週間も経っていないのだけど、広いとそれだけで快適だなというのが今のところの感想。モノの居場所がちゃんとあるというか、適当に置いても気にならないというか。前回が手狭なワンルームだったから、この家の大きさが人間としてゆとりをもって生きていくための最低限度の広さだったんだ......という気すらしてくる。ぼくは実家が富山の古い家なので、床面積だけはかなりあって、それが自分の身体感覚のベースにあるということだろう。田舎生まれのズボラな身体感覚。『あたしンち』のどっかの回で紹介されていた「散らかった部屋でも物を立てるだけで片付いたように見える」という技を真に受けて実践していたころの身体感覚。戻ってきた。

 ひとまず引っ越しの感想としては、本が多すぎるのはやはり問題。重いし、かさばるし......。所有物はそれほど多くないはずなのに、書籍だけでダンボール20箱必要になっちゃたりして、気軽に住む場所を変えることができなくなってしまっている。どこかのタイミングで、本腰を入れて減らさないといけないのかもしれない。今住んでいる場所は来年春からシェアハウス(アーティスト・イン・レジデンスなのかも)として稼働予定なので、その共用部に寄贈(といえばなんかいいことしてる気になるけれど、単にいらないから置いていくという)してもいいのかもしれない。自分にとっての不要なものは他の誰かにとっては必要なものだったりするから、みんなのいらないものが溜まっていく共用部ってなんか面白い気がする(汚い言い訳)

 今回の新しい生活の性質上以前のブログを参照のこと、この場所に住んでみた感触のようなものを記録として残していくということが自分の役割としてあるのかなと思うので、このブログでも誰のやくに立つのかわからない海老名情報がけっこう入ってくると思われる。おすすめの散歩コースとか、近所のラーメン屋のおすすめメニューとか、駅までの最短ルートの検証とか、ご近所さんとの付き合いがどんな感じかとか、そんな雰囲気の情報だと思う。

 先立って、なんとなく今住んでいる環境を書き起こしてみようと思う。まず全体としては、全部で7つの緑色の家(各々1階が50㎡、2階が50㎡)がコの字型に数珠つなぎになっていて、敷地北側にはちょっとした裏山が広がっている。コの字型の配置だから中庭を挟んで各棟が向かい合っている感じなのだけど、現状の中庭はただ砕石が敷かれているだけで、ほとんど機能していない。このへんは設計者が上手く解決するのだと思われる。ぼくの住んでいる棟でいうと、南側が中庭で、北側が森。下の動画のような感じで、北側の部屋は窓を開けると騒音レベルで鳥の鳴き声が聞こえてくる。鳥好きなので環境としては最高で、北側に面するこの部屋を寝室にしているので、朝は鳥の歌声で無理やり起こされる感じ。もうすでに、6時台には自然と目が覚めるような体内時計ができつつある。

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南側はこの写真のような感じ。窓むこう側に見える棟が共用棟になる予定とのこと。また、ちょっとわかりにくいけど窓のすぐ外には事前に行われたワークショップで制作されたちょっとした庭がある。ぼくはこの庭の維持・拡張をすることになる。家賃が発生していないのでこれくらいはやらねば。

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外壁の黄色いマスキングテープは、開口部の位置をみんなで検討した結果だと思われる。室内の壁に引かれている線もまた、事前の泊まり込みワークショップに参加したアーティストが引いた線だろう(影の動きをトレースした感じに見える)。引っ越してまずやったことは、壁に描かれているドローイングをできるだけ隠さないように、家具を慎重に配置することだった。

 見ての通り、この部屋はエアコンがついていない。おそらく前の入居者が個人的に新しいものに買い替えて、引っ越しと一緒に持っていったんじゃなかろうか。他の棟はすべてエアコンついているのに、自分が選んだ棟だけたまたまついていなかった......という悲劇。この場所、裏庭があるからか、あるいは丘の上だからか、窓をあけるとものすごく風が抜けるので、いまのところなんとかなっているけどね。エアコンを使わず健康的に汗をかく生活を一週間弱続けた結果、逆に体調が良くなってきた気がする。先月まで悩まされていた謎の腹痛&下痢が完全に治った(エアコンのせいだったのかちくしょう!という気持ち)。ただ、8月の猛暑日なんかはさすがに厳しいと思うので、そういう日は素直に他の棟に避難しようと思う。ちなみに9月くらいからは建築の改修工事がたぶん始まるので、ぼくは工事の邪魔にならないように敷地内を動かなければいけない。敷地内のプチ引っ越しを繰り返す感じ。

 そんな感じで、来年春までは工事中の建物に住み着く(寄生する?)みたいな不思議な生活が続きそうだ。設計者の許可もとってあるので、みなさん気軽に遊びに来てください。ぼくと直接面識がない方でも、ブログをみていてこの場所に興味があったりしたら、メールohmr.tkhr@gmail.comにどうぞいただければいつでも出迎えますので。都内からだといかんせん遠いけどね。