AUG.10,2021_猫のこと(その1)

 家の近くを縄張りにしている野良猫とふとしたことで仲良くなったのは6月の頭くらいのことだったと思う。最初は警戒していたが、何かをきっかけにさわれるようになり、毎日夜中になると庭で遊ぶという関係性が生まれた。たぶん向こうが機嫌がいい時に寄ってきてくれて、ここぞとばかりになでなでした際に、コイツは近づいても大丈夫だという認定がされたんだと思う。去年の7月からここに住んでいるわけだが、一年間はまったく近寄ることもできなかった。

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 仲良くなってみるとやけに人懐っこい猫で、近寄ると足に頭から突っ込んでくる。やせてるわけではなく、むしろけっこう太っちょなので、どこかの家でたっぷりとご飯はもらっているのだと思う。ぼくはキャットフードの類は一切あげていないが、そもそも餌を求めているという感じでもない。単に暇なときに、玄関の前でニャーニャーと鳴き、その声を聞いて庭に出ると30分くらい遊び、飽きると去っていく。

 以前共用棟でみんなで飲んでいるときに、一応この猫の呼び名を決めようということがあって、ひとまずボバ(建築家リナ・ボ・バルディからきている。井上さん命名)という名前を勝手につけたものの(だれに了承を取るのだろう?)、野良猫はきっと複数の場所で複数の名をもっているだろうから、と、けっきょくその名で呼ぶことはほとんどなく、おいそこの猫、とか、にゃんだね君は、とか、先生、とか、そのたびごとに適当に呼びかけている。今日も帰ったら玄関のそばにいたので、少し遊んでから部屋に戻った。おぬしはかわいいのう、とバカ殿っぽいイントネーションで呼んだ。

 デルタ株だデルタ株だと言われているが、ラムダ株というのも最近入ってきたらしい。ラムダと聞くとラムダ・ドライバが頭がよぎるので、ヤバそうだな、という気だけはする。実際たぶんヤバい。

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