NOV.1,2023

午後、仕事のあいまに子と過ごす。妻は12月開始の展示が3つあり(多い)、新作をふたつ制作・発表しないといけないという修羅状況なので、少しでも制作時間を確保しなければいけない。とはいえ、超ママっ子だからなかなかそうは問屋が卸さない。今日はバスで少し遠いところにある公園にいってみた(これもまた時間稼ぎだ)。google mapで見た感じはいい感じの公園だったのだけれど、いざ行ってみると妙に寂れている。閑散としていて微妙に手入れが行き届いていない。

日立は深刻な公園不足で、子供を安心して遊ばせられるような場所があんまりない。そもそも子供をまちなかで見かけることが少ない代わりに、老人がほんとうに多い。街並みも、柏や海老名といった過去に住んだ東京近郊の郊外ともまた違う。たとえば当時、海老名は最強の郊外だと思っていたのだけど、日立は完全にそれを凌駕している。おそらく、第二次大戦時に空襲で焼けてしまっていることがどうにも影響しているように思う(水戸にも同じことを感じる)。歴史と切断された焼け跡から立ち上がった純粋郊外地という感じ(近代都市のロジックが純化したかたちで顕れている、という印象)。ゆえに、半世紀経って急速な高齢化とインフラ・建物の老朽化が進んでいる。近代的な都市計画のサビみたいなものを(子供がいるということも相まって)ヒリヒリと感じている。他の土地との、僅かだが明確な差について考えさせられる。

ちなみに今日行った公園自体の環境は微妙だったのだけど、近くにカモがたくさんいる池なのか貯水池なのかよくわからない不思議な水辺があって、そこからカモの親子が断続的にやってくるのは面白かった。散歩中のジジイがふところから謎の袋を出し、あたりを警戒しながら、中身を公園に撒き散らしていた。たぶん食パンだった。鴨がそこに突入し、ある程度パクパクしたら離脱していく。その後カラスが数匹やってきて掻い摘む。カラスがいなくなったらスズメがやってきて残りをもっていく。くだんのジジイは少し離れたところでやはり粉っぽい何かを撒き散らしている(警戒しながらやっているのはなんなんだろう、見つかると怒られちゃうのか)。僕はベンチにすわってその動向を眺めていた。子は抱っこ紐の中ですやすや眠っていた。