JUNE.3,2020_ おそらく鳥を撮った写真

 鳥というのは他の動物との距離をとても正確に測る生き物で、ある距離まで近づいてしまうと必ず逃げてしまう。だから鳥を単焦点のレンズで撮ると変な距離感の謎の写真が数多く生まれる。現像から帰ってきた写真を眺めていると、何を撮ったのか自分でもぜんぜんわからないものが混ざっていることがあるのだけど、たいていは鳥を撮ろうとチャレンジしたものだったりする。

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 おわかりいただけただろうか。上記の写真は──季節がら──ムクドリを撮影したものである。しかし撮影者のテクが雑魚であることとズームできないことが相まって、鳥(撮ろうとしたもの)がうまく撮れておらず背景(別に撮る気はなかったもの)だけが写っているような写真になっている。ぼくは一ヶ月前とか、ひどいときは半年前とかに撮ったフィルムを現像に出すことがあるのだけど、そういう場合は撮影時の記憶は薄れてしまっているから、自分でも鳥の存在に気がつかない。これは個人的には大きな発見で、なんというか鳥を通すことで、自分の主体性や意図みたいな湿った部分が写真からパタパタと飛び去っていくような気持ちになったのだった。

 ムクドリはけっこう図太い性格をしていて、あるていど近づけるので、上のような写真になる。あとくちばしがオレンジ色で見つけやすい。これがスズメとかになるともうほとんど何を写しているかわからなくなる。ちなみにスズメの場合は、中判カメラのデカいシャッター音はびっくりさせちゃうかなと、撮影自体がかなりはばかられてしまう。ハトの場合はかなり近づけるので、下のような写真になる(人間との距離の近さが如実に現れている、、)

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 カラスは黒いのでたいへんに難しい。たいていはまともに写っていない。また知能も警戒心も高いので、近づくとカーカー(へんなやついるぞ)と鳴きあって一緒に飛んでいってしまう。

 解決方法としては望遠レンズを買うということになると思うんだけど、単焦点で鳥が逃げるギリギリの距離を攻めていくのが面白いので、自分はこのままでいいやと、いまのところそう思っている。

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