6.JAN,2024

アーキペラゴの畠山さんと会って久々に会う。実際に会うのは今や彼らの代表作となった「河童の家」のオープンハウスのとき(2021年?)以来だろうか(もしかしたら河童の家の模型を事務所で見せてもらった2020年以来かもしれない)。畠山さんにお子さんが生まれ、茨城県にある奥様のご実家にいるということで、僕が使っていた0歳児用の抱っこ紐を渡すついでに軽くご飯を食べることにしたのだった。こちらの近況を話しつつ、アーキペラゴの最近の仕事について聞くことができてよかった。今後のプロジェクトについて話しているうちに、円という幾何学がなぜ必要なのか?(自分たちは必然性を感じているが大村はどう思うか?)といった話になった(円が用いられているプロジェクトを見せてもらった)。円という幾何学がもたらす重要な点は、弧を知覚する際に、身体との相対性のなかで円のサイズを直観しうるとことだ、と、ざっくりだがそんなことを答えた。円のサイズが大きければ(すなわち曲率半径が大きければ)弧は直線に近似し、小さければ曲率は増加する。結果として、弧の部分的な知覚によって直接的には知覚しえない円全体のサイズを把握する可能性が生まれる、と。具体的には、壁に向かってPC作業をしているだけなのに、その壁の曲率から建物全体の大きさを想像しうる、みたいなことが想定できるわけだ。局所的な空間把握に対してより大域的な空間把握を重ねること。ふたつの場所を同時に知覚しうる、ということだ。単純な話だが、これは実はものすごいことだ。その他、ロードサイドの看板建築などについても話したが、畠山さんたちがヴェンチューリ的なものへの興味があるというのはちょっとだけ意外だった。とはいえヴェンチューリが試行していた「複数の論理の同時性」への共感だと考えれば納得する。

このあいだ、妻と子は水戸の千波湖まわりで時間をつぶしてくれていたようだ。千波湖の西側には子供のための公園があるらしい。千波湖まわりは緑が多くこのあたりに住むのは快適そうだという話をする。子は水鳥や鳩がたくさんいてかなりはしゃいでいたらしい。身のこなしが俊敏な他の子供を見かけて歓喜し、その子に石ころをあげたりもしていたらしい。日立市はこうした安全で快適な緑地のような場所が少ないので、かなり羨ましい……。帰ってご飯を炊き、牛肉としらたき、豆腐、長ネギなどを使ってすき焼き風煮込みをつくった。まず牛肉を焼き、そこに思ったよりもどっさりと砂糖と酒を入れて煮込み、最後に他の具材も入れて醤油で味を整えるだけ。ご飯が進む。