JAN.7,2021_風強

 データを整理していたら、11月の風が強い日に、ただ草や木が揺れているのを撮った動画が出てきた。撮影したことも忘れていた。ほんとうに、ただ植物が揺れているだけで、何が起こるわけでもない。この日はほんとうに風が強かった。

vimeo.com

 今日も風が強かった。めちゃめちゃ強かった。散歩していたら、砂が大量に舞っていて目がとても痛かった。でも、近所の林では光線がはっきりと見えるあの現象が起きていて(いわゆるチンダル現象)、瞬間的だけれど、とても幻想的だった。この林の崖の上には中学校があって、おそらく校庭の砂が散布されまくっていたのだと思われる。そこに冬の角度の浅い光とまだらな人工林の隙間があいまって、こういう瞬間がふいに現れる。

vimeo.com

 かつて、ヨーロッパの埃っぽい教会のクリアストーリーからの光でこれを、あるいは温泉旅行にいった日の朝、ひとっ風呂浴びようと誰もいない浴槽を専有しているときの湯気のなかでこれを、見たかもしれないと思った。いや、教会のは気のせいかもしれない。実際に見たのではなく、写真でなのか、動画でなのか、何かしらの媒体で見たのかもしれない。温泉の記憶ははっきりと残っているのだが(大学一年生のときに、突然大学院の先輩たちに呼び出されレンタカーに乗せられて、一緒に鬼怒川温泉に突貫旅行に行ったことがあった。たしか心霊スポットにも行った。めちゃくちゃだったが楽しかった)。そんな妙なデジャヴュ感があったせいか、どうにかしてこの感じを人工的に発生させられないかということを、この日はずっと考えていた。すると、プロジェクター+αでたぶん、似たような現象は起こせそうだということに気がついて、嬉しかった。いつか試してみたい。