MAR,8.2019_展示什器メイキング

 堀越くんが制作した展示什器のメイキング動画+会場風景の動画です。ぜひご高覧ください。

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 展示台はホームセンターにて廉価で手に入る素材(ラワンランバーコア、赤松60mm角材)を用い、同時に(ランバーコアの端材を梁や貫に使ったりして)歩留まりをできるだけ高くとりつつも、安全マージンを十分とっても100kg弱の荷重には耐えうるよう設計されています。動画を見てもらえればわかりますが、木ビスや釘を一切用いず、ホゾ差しのみでジョイントが成立しています。

 たとえホームセンターで販売されているような平凡な素材を用いていても、設計や加工の精度の厳密さをそこに投入し、かつ大量生産された素材に “につかわしくない” ディテールをあえて選択することで、平凡さから半歩はみ出すような価値をもたせることができる。「半歩はみ出ている」ということが大切で、そこではラワンや赤松のもつ平凡さは決して手放されてはいないけれど、明らかに日常的ではない異質な精度が与えられている。限界まで無駄なディテールは削ぎ落とされ、結果として、「おそらくあれは台のような何かだ」としかいえないような質をもった構築物がそこに現れる。そこではなんでもないラワンの木目や赤松の節がなぜか美しく見えてきてしまう。そういうことがさりげなく実践されています。

 天板の高さは950mmで、模型の観賞に適した寸法になっています。通常のテーブルよりも250mmほど高く、立呑みに適した感じの高さ、という感じ。アアルトのスツール60に座ると、模型をちょうどアイレベルから覗くことができます。ぜひ実物をみてみてください〜。

 明日は会場構成について少し書こうかと思います。

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追記。

設計・制作の堀越くんが自身のHPで什器の詳細を紹介しています。一品生産品の販売も可能とのこと。

www.kazukihorikoshi.com