JULY8,2018_無題

○グラハム・ハーマンの『四方対象オブジェクト指向存在論入門』を改めて読んでいる。ハーマンの哲学を、一度どこかでまとめよう、まとめよう、、、と数年前から思っていて、今の今まで結局やっていないので、今週中にやってしまおうと思う。というのも建築界において最近主流にすらなりつつあるような、ハーマンの理論(OOO)をどちかというと「奇怪weird」な形態をつくるときのキャプションとして受容するような態度に、ぼくは否定的だからだ。OOOがユニークなのは、1. 人間と非人間を等価に扱う存在論のモデルを提示していること、そしてそこでは、2. 複数の部分=構成材からなり、かつ複数の性質をもつ、中間的な存在である「対象」を扱っていること、にあると思う。ハーマンが扱う「対象」は、まさに種々雑多な構成材からなる「建築」をあつかう存在論として、かたちをつくる理論というよりは、あくまでそれらを捉える枠組みとしてフィットするなと思う。だからこそOOOを使ってぼくらがすべきことは、ある目新しいカタチをつくるというよりは、それによって過去の建築論を書き直し、批判的に再検討することのほうだと思うのだけど。

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(Mamiya RB67 Professional, Sekor 127mm F3.8, KODAK Portra 160)