JAN.26,2021_北杜

 昨日は敷地調査で山梨県の北杜市へ行った。もちろんこの緊急事態宣言下なので、公共交通機関ではなくて自動車(Iさんの安全運転)で。雪という予報だったので天気をかなり心配していたのだけど、幸い予報は外れて、終日めちゃくちゃ良い天気だったので助かった。山梨というと寒いという印象だったけど、この日に限ってはポカポカであった。ちなみに北杜市の中心地に雪は積もっていなかった。ただ、少し車を走らせるとしっかり積もっているらしい。北杜市はぎりぎり積雪しないような標高なのかもしれない。そういう土地だからこそ、避暑地として重宝されるのだろう。

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 山梨なので当然なのだけど、富士山がずっと見えていた。富士山、よく見るととても変なシルエットをしていて、おもしろい。南アルプスや富山の立山(飛騨山脈)のような「自然の怖さ」みたいなものは全然ない。人に威圧感を与えないかたち。独特のゆるさというか、「愛すべきばか」的な雰囲気をもっている気もする。冬の富士、実際にはめちゃくちゃ怖いわけですけど。

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 敷地はうっそうとした森を切り開いたよな斜面だった。すぐ近くには神社があった。境内があるという話だったのだけど、なかった。

 境内、なかった!! そこにあったのはぴかぴかのお墓だった。ぼくは神社のお墓(というか建物のお墓)というものをはじめて見た。後継者がいなかったり、建物が老朽化していたり、手入れをする人がいなかったり、ということが理由なんだろうか。それにしても神社は解体されると、こういったかたちで記念碑的に残るもんなんだろうか。基礎だけが残されていたり、手水舎の石だけが土の上に置かれていたり、という妙に見通しの良い不思議なランドスケープが広がっていた。境内が模型化して、もともとの基礎の上にぽんと置かれている感じ。新旧のスケールが重なっていて、日本庭園的な手つきを感じなくもない。神社の境内から、木由来のものをすべて取り去って、石由来のエレメントだけが敷地に残された、と表現してもいいのかもな。すごく良いものを見た。

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