関西でとった写真⑩
待望の浄土寺浄土堂で今回の関西旅は終わり。小野市に向かう際に乗った神戸電鉄がめちゃくちゃよかった。ぼくが乗ったときは電気がついてなくて自然光だけで、それで木々のトンネルみたいなところを通るものだから、影が車内に、すごくきれいに落ちる。ここまで空間が激変する電車をぼくは知らない。何度でも乗りたい。
動画もとっちゃったからね。
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内部の写真は撮れなかったんでないんだけど、行ってよかった。曇りだったのは残念だけど。架構が身体感覚にどういう影響をあたえるのか、ということについては、現代よりもこの時代の人々のほうが敏感だったのかもしれない(重源は、かもしれないけど)。いずれにせよ、気候条件、立地環境、時間の変化、建物の構成、架構形状が感覚に与える影響とその分布、儀礼形態(僧の修行の形態)らが結束してあるひとつの状態をつくっている驚くべき建築物だ。そしてその状態が、非人間的なスケール、この建築でいえば大仏というスケールによって統合されている。なかに足を踏み入れたときはその内部空間の大きさにびっくりするんだけど、慣れてくるとむしろとても親密な空間に感じ始める。はじめは仰々しく感じた梁や肘木も、数時間するととても馴染み深いようなものに感じた。この感じはなんなのだろうと思った。
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重源: 浄土寺浄土堂, 1197, 小野市, 兵庫県
(PENTAX 67, SMC TAKUMAR 6×7 105mm/F2.4, FUJI PRO400H)