SEPT.24,2019_iPhone 11とボトムズ

 iPhone 11に機種変更した。3年半ほど使ったiPhone 6sはもうほぼ限界で、1年前に一度バッテリー交換してからはけっこう快調だったんだけど、数ヶ月前あたりからまた急激に調子がわるくなってきて、通話がノイズだらけだったり、充電が1-2時間ほどしかもたなくなったりしていた。ということでやむなく機種変。 iPhone 11 ProではなくiPhone 11にしたのは値段の問題もあるし、そこまで高いスペックを求めていなかったということもあるけれど、なによりもiPhone 11の裏側のちょっと安っぽいところがいいなと思ったからだった。ツヤがあり、昔のガラケーっぽい感じ。しかし後から気づいたのだけど、iPhone 11 Proの背面のカメラがみっつ付いている感じがボトムズっぽく(検索してみるとやはり随所で話題になっていた)、やはりPro(のとくに緑っぽいやつ)にすべきだったかと少し後悔した。それだけではなく、iPhone 11はサイズが大きすぎてちょっと手に馴染まない感じなので、そういう意味でもProのちいさいやつにしておけばよかった。しかし大きさの問題は使っていくうちに慣れていくだろうと思われる。

 さて、おそらく大半の読者がボトムズってどんなアニメだろう……知りたい……気になる……と思ったはずだ。なんだかそういう「圧」みたいなもの、期待の眼差しみたいなものを感じたので、今更という感じではあるが少し紹介しておこう。iPhone 11 Proが「ボトムズっぽい」とされるとき、それは『装甲騎兵ボトムズ』に出てくるアーマードトルーパーという人型兵器(ATと呼ばれる)の「スコープドッグ」を指している。スコープドッグは主人公が主に使用するATで、ボトムズの看板ロボットだ。ボトムズはいわゆる「リアルロボット」(代表的なものに機動戦士ガンダム、戦闘メカ ザブングル、マクロスシリーズ、機甲戦記ドラグナー、機動警察パトレイバーなど)に分類されるアニメで、なかでもリアル思考が非常に強い作品として知られている。主人公機・スコープドッグの全長は4mほどで、過度なスペックはもっておらず、作中での扱いはひとり乗りの戦車くらいのものである。『宇宙の戦士』(ハインライン, 1959)で打ち出された「パワードスーツ」というコンセプトを、つねに玩具販売の制約をうけていた富野由悠季作品よりもよほど忠実に受け継いでいると思われる。実際に主人公のキリコはスコープドッグを酷使し、壊れたら躊躇なく乗り捨てる。大量生産された汎用兵器としての主人公機。しかし負けない。これがめちゃくちゃカッコよかった(と中学生のときのぼくは感じていた)。ただし、機体が大量生産されたなんでもないものになればなるほどパイロットは超人化せざるをえない、という問題はあり、そういう意味では「スーパーロボット」(マジンガーやゲッター、勇者シリーズ、ライディーン、鋼鉄ジーグなど。ただし「リアル/スーパー」という区分はスパロボ等で事後的に要請された便宜的なものにすぎない)は主人公にとくに際立ったセンスや才能がなくとも機体性能と気合と熱量と愛でイケる、みたいなところがあるので、それはそれで捨てたもんではない。むしろ凡人が世界を救うという物語が可能なのはスーパーロボットのほうだったりするのだ。

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 なんの話をしようとしていたのか忘れてしまったが、ともかく、iPhone 11 Proとスコープドッグはたしかに似ている。たしかに似ているのだが、スコープドッグというには11 Proはいささか性能が高すぎる、とぼくには思われる。これは大問題なのである。3つカメラがあるのはいいのだけど、スコープドッグを目指しているのならばもっと廉価で、安っぽく、傷つけてもよさそうな感じのものでなければ。Appleさんには是非がんばっていただきたい。

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PENTAX 67, SMC TAKUMAR 6×7 105mm/F2.4, FUJI PRO400H