APR.29,2019

私たちに関心をもたらすのは、建築における基準や方法、とりわけその実現の仕方といった、いってみれば技術的な秘密である。これは私たちがおこなう観察に特有の焦点となるだろうーーすなわち、どのような仕方でそうなったのか、ということを学ぶために、対象へと眼差しを向けるのだ。しかしそのとき、しばしば自らを犠牲にして最初に学ぶことといえば、その技術的な秘密が建物の形式それ自体とは何の関係もないということである。それどころか、他から孤立した形式それ自体はつねに不可解な謎であり、私たちを深く落胆させる。(...)分析的な眼で形式を観察し、そこでなされた選択の確かさを認識することによってむしろ気づかされるのは、数多ある選択の“傾向”と、部分とエレメントの配列を統御するということの共同作用なのである。

Giorgio Grassi: Form liberated, Never Sought. On the Problem of Architectural design, Daidalos, p.24, 1983, 拙訳