MAY17,2018_倉賀野へ

高崎市倉賀野にて、プロジェクトの現場管理。コンクリート擁壁の型枠が取れたのだけど、なかなかいい感じだった。離れた位置に配置された擁壁の面をあえて揃えず(様々な要因が重なってそうしたのだけど)、位置と高さを10cmほどずらしたのだけど、これだけでもとても大きな変化となっていた。図面上のとても小さな操作が、実空間では大きなインパクトをもつということを実感することができて、とても勉強になる。

1/50や1/10、1/500、1/1000など、ぼくらは様々な縮尺も用いて建築物を検討する。これら異なる縮尺の図面には、その縮尺独自の情報が各々に埋蔵されており、M. ストラザーンの言葉を借りればそれらの情報量はまったく”等価”なのである。各々の縮尺で検討していた内容と、実際立ち上がった事物が織りなす諸々の関係性の束、の、間に生じるギャップをできる限り小さくしていくことが、建築家としてのプロフェッショナルな技術なのだろう。しかしそれと同時に、図面では想像もしていなかったような現場での驚きを楽しんでいくことも、とても大切だと思う。むしろそのような驚きを積極的に呼び込みつつ、即興を図面上に塗り重ねていくような仕方で設計をおこなうことは可能だろうか。専門性とアマチュアリズムが、あるいは計画的な工作と場当たり的な組立が、あるプロジェクトのなかで、お互いに抵抗しながらも併存すること。

  

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(Mamiya RB67 Professional, Sekor 127mm F3.8, FUJICOLOR PRO 400H)