JUNE2,2018_カメ五郎とPrimitive Technology

○カメ五郎という人がいる。最近のぼくはすっかりカメ五郎のファンである。

dic.nicovideo.jp

 

彼はニコニコ動画でサバイバル動画を投稿されていた方で、多摩川や西丹沢での「自給自足シリーズ」の動画で一躍有名になった。現在はYoutubeでも投稿をされていたり、テレビ出演もされていたりするのだけど、ぼくは失礼ながらニコ動で話題になっていた際にリアルタイムで彼のことを追えていたわけではなく、関西ローカルの「Aさんの話」という番組で彼のことを知った。この番組の不定期コーナーで、芸人のかまいたち無人島に行ってサバイバルを行う企画があるのだけど、そこで毎回助っ人としてカメ五郎さんが登場していたのだ(ちなみにこの企画はめちゃくちゃおもしろい)。

ぼくは基本的にサバイバル系の動画は好きなんだけれど(ベア・グリルスの『MAN vs. WILD』とか)、往々にしてこういった類の動画は人里離れた奥地とか、あるいは無人島とかで撮影されていることが多いのではないかと思う。カメ五郎さんの動画の特筆すべき点は、多摩川・丹沢・相模川など、撮影地のほとんどが関東圏域であり、都心のすぐそばの自然でおこなわれていることである。いわば自然と都市の際(きわ)のような場所を意識的に選び取り、ぼくらの生活圏内に生息する、しかし多く人々は見過ごしているだろう野草、動物、虫、キノコ等の“食材”をその豊富な知識をバックグラウンドに採取し、自給自足をおこなっているのだ。新島や父島といった島での撮影もされていて、それらもすごく面白いのだけど、やはり亀五郎さんのセンスが光るのは、都市圏にひっそりと残された自然にアクセスしている動画なのではないかと個人的にはおもう。

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ここ数年の「狩猟生活シリーズ」も、狩猟免許を取得したひとりの青年が罠師に成長するまでのドキュメンタリーとして非常におもしろく、おすすめである。カメ五郎さんの動画全般にいえることだが、彼の実直で勉強熱心な人柄と、飾り気のない動画編集、そして命に対する敬意に、大変共感がもてる。また、上に挙げた「多摩川自給自足生活」(彼の最初の動画)から現在までの成長具合も、視聴者の楽しみのひとつになっている。

 

その他、そっち系の動画で個人的におすすめなのは「Primitive Technology」である。投稿者の白人男性はアボリジニの研究者であり、ほとんど断片的にしか伝わっていない古代の技術を、自らを当時のアボリジニと同じ環境に置き生活をおこなっていくことで、“再発見”していくことを試みている。この動画のすごいところは「道具」の開発から始めているところである。石斧にはじまり、送風機、罠、ひも、かご、陶器など、ある道具の開発は別の道具の開発へと連鎖し、その道具が自然へのアクセス回路となって新たな材料の採取へとつながり、それらの道具と材料が集合することでまた新たなのオブジェクトの(たとえばハットの)構築に結実していて、ここが実に面白い。ちなみに現在は鉄の精製にまで成功しており、つまりは鉄器時代に突入したことであり、少しずつ少しずつ文明化していく様子をみることができる。

もうひとつこの動画の特徴としては、なんといっても映像のクオリティが高いことである。アマチュアの仕事とは思えない感じ。 

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というわけで昨日のぼくの「アウトドアしたい」という言葉には、「こういうハードコアなアウトドア(サバイバル)をいつか自分もやってみたい」という願望も含まれていたのだ。できないと思うけど、、憧れである。 

 

○今回でレオタックスは最後。

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(Leotax K, LEONON 50mm F2, KODAK 400TX)