180114

●「関東の冬は気温こそ北陸より高いけど、湿度が低くてカラカラなぶんつらい。体感的には富山より東京の冬のほうが寒く感じる。ほら、雪降ってると意外とあったかいんだよ。スキー場とかそうじゃん?じゃん?」

と、得意顔でみんなに言っていたのだけれど、やっぱ寒かった、富山。関東とは比較にならない寒さだった、忘れていた。ということで実家着。

清水高志『実在への殺到』をつらつらと読む。生活が落ち着いてきて、ようやく読み始めることができた本書。思弁的実在論(SR)やオブジェクト指向存在論(OOO)といった相関主義の超克に取り組む哲学の新しい潮流と、いわゆる「存在論的転回(ontological turn)」と呼ばれる昨今の人類学の展開は、3年くらい前から現代思想なんかでちょくちょく紹介されていて、とても興味をもっていた。前者でいうとカンタン・メイヤスーやグラハム・ハーマン、後者でいうとマリリン・ストラザーン、ヴィヴェイロス・デ・カストロ、フィリップ・デスコラといった論者が、本書ではロジカルで明快な語り口で次々と紹介され、清水さん独自の方法で綜合されている。数年前は彼らの哲学や人類学の方法に関する情報は、原文をあたるのが難しい専門外の人間にとっては、断片的にしか得られないものだったけれど、最近は日本語で読めるものも増えてきてとてもありがたい。そしてそれらは単なる「紹介」ではなく、清水さんのような独自の哲学をもつ人間が国内に何人もいて(とりわけ若い人のなかに)、とても刺激的な状況だと思う。『実在への殺到』はまだ途中だけど、W.ジェイムスや西田の議論が挟まれ、最近の議論を統合していく上でのキータームになっていることが興味深い。

●ここ数ヶ月で撮った写真。

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