171015

●「アウトレイジ最終章」みてきた。映画の雰囲気は、特に後半が「ソナチネ」に近い感じで、前作・前前作とは少し方向性が異なるかもしれない。何を書いても多分ネタバレになるから、内容に関してはこのくらいで自重しておこう。でも、本当におもしろかった。

●そういえば先週の日曜日は、埼玉県立美術館でおこなわれた、鈴木了二さんの映画ワークショップに参加していた。

了二さんの建築は、香川の「金毘羅」を見て感動したばかり。

鈴木了二さんは建築だけでなく、映像や写真など、媒体を横断した制作をおこなっている人だ。今回のワークショップは「映像の可能性」と題しているけど、内容としては了二さんの過去の映像制作をいっぺんに振り返るというものだった。1時くらいから始まって、終わったのは6時くらい。4、5時間ぶっ通して(けっこうハードコアな)映像を見させられて、(いい意味で)気が狂ってるなと感じた。とはいえ了二さんの映像を、本人の解説付きで一気にみることのできる機会なんてそうないだろうから、相当貴重な時間だったなと思う。了二さんの映像は「建築」も「映画」もどちらも道を譲らず同居しているため、たいてい両者が衝突し、「大事故」が起こっている(ゆえによくわからないものが多い)。今回はご本人のコメントに加え、学芸員の梅津元さんの丁寧な解説込みでの上映だったので、わかりにくいところがよくわかったというか、その点ありがたかった。七里圭さんが撮影をした「物質試行52 DUBHOUSE」と、三宅唱さんが撮影した「物質試行58 A RETURAN OF BROUNO TAUT 2016」は、さすがは専門家が協力して作った映像で、クオリティが頭一つ抜けているなという感じ。とはいえ、了二さん自身が撮影、編集された映像もすごくよかった。特に初期の作品のフィルムの粒子間と画の緊張感がすばらしい。下は「物質試行52 DUBHOUSE」の予告編。

 

 ちなみに了二さんは最新作の「物質試行58 A RETURN OF BROUNO TAUT 2016」でSFと活劇がやりたかったらしいのだけど、人間は物質感が足りないので出すわけにはいかず(自分で書いていてもよくわからないが)、最終的にルンバにカメラを乗せて撮影するという方法に至ったのだという。この時点でかなり面白かったのだけど、その後の了二さんの、「このルンバのパンがすごいんだよ!このタイミングでパンするかっていう!」という熱い解説で、より面白くなってしまった。すごくかわいい人だなと思った。無機物と有機物を等価に扱っているっていうか、汎神論者的なふるまいっていうか。ちなみにこのルンバの映像、質感としては今年の「引込線2017」(http://hikikomisen.com/)でみた高嶋晋一さんと中川周さんの作品のものに似ているなと、少し感じた。どちらも、撮影主体を人間以外に委ねている。

 

●10月に撮った写真②

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