170910_豊島美術館

●瀬戸内で撮った写真④

●2日目(8月27日)のつづき。フェリーに乗って、本村港から豊島へ。

永山祐子設計の「豊島横尾館」や、大竹伸朗の『針工場』をさらっとみて、港の食堂でアジフライ定食を食べ(激ウマだった)、目的地の『豊島美術館』へ向かう。設計は西沢立衛で、内藤礼の作品のみが展示されているという特殊な美術館だ。ミュージアムショップ以外は撮影禁止だったので、写真はランドスケープだけ。

 美術館は瀬戸内海を一望できる、豊島でもかなり標高の高い位置にある。周辺の環境が本当にすばらしくて、バスを降りてからの眺めはまさに絶景だった。

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美術館のとなりには、棚田が。

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チケットをかって、こういうアプローチで森のなかに入ってから、展示室へと向かう。

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 美術館のなかには、内藤礼さんの『泉』という作品が展示されている。これが本当にすばらしいので、ぜひ多くの人に見てもらいたいなとおもう。西沢さんが設計した建築のほうもまた、歴史に残るレベルの作品である。そう思うけれど、この建物を純粋に建物として評価していいものかどうか、かなり難しいなと感じた。なにしろ、内藤さんの展示とこの建物は、きっても切り離せない強い関係にあるものだから。

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 この建物は、内藤さんの作品なしには決して存在できないし、軽率に建物だけをみて評価をすることは、できないんじゃないかと思う。もちろん土を盛ってコンクリート打設する建設方法は画期的だし、構造的にも、ものすごいことをしている。『泉』がなく、この建築の空間だけ体験することになっても、ぼくらは感動するだろうなとも思う。でも、そうはいっても、内藤さんという存在に言及せず、この建築そのものの評価することは、絶対にできないなと、ぼくは直感的にそう感じてしまうのだ。そういう意味で、この建物は、ひとつの建物としては自律していない(決して悪い意味ではなく)気がしたのだった。

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 この日は豊島美術館の近くの「少年自然の家」的な場所に宿泊した。そういうところに泊まる体験も、この歳になると貴重なので、とても楽しかった。「ヤママユガ」という、馬鹿でかい蛾がいた。あと、T橋が就寝中に、ムカデにかまれていた。

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(豊島美術館, 2010, 西沢立衛)

(Canon AE-1, New FD Zoom 35-70mm 1:3.5-4.5, KODAK PORTRA160)