170602  パリで撮った写真⑦

ヌーヴェルのカルティエ財団。これまでにアラブ世界研究所とフィルハーモニーホール、ケイブランリー美術館とヌーヴェル建築を3つ見てきたけど、特にフィルハーモニーがあまりよくなかったものだから、全然期待していなかったカルティエ財団。ところが行ってみてびっくり、とてもよかった。鉄とガラスと植物が曖昧に溶け合う。ガラスを透明な非物質としてではなく、むしろ強い物質性をもった素材として扱っているところがとても勉強になる。ちょい野性的なランドスケープも最高。

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(Fondation Cartier, 1984, Jean Nouvel)

(Canon AE-1 Program, FD F1.4 50mm, Kentmere 400)

 

カルティエ財団では「auto photo」という車の写真を集めた展覧会をやっていたけど、これも最高だった。地下では自動車を扱った写真の変遷を歴史に沿って見ていけるんだけど、車自体のフォルムや「運ぶ」という機能を扱った写真から始まり、次第にカーセックスや旅行といった車で起こるイベントや、車を生産する風景などに写真の主題がシフトしていく。挙句の果てに、モーターショーのコンパニオンを「トヨタ」や「ブガッティ」、「フィアット」みたいな感じで収集するといった、車なんか全然でてこない、メーカーごとの可愛い女の子集、みたいな感じの作品でこの展示が終わっていて最高だった。車写真の行く付く先はセクシーなお姉さんだった!みたいな。でもメーカーごとにコンパニオンの差異は確かにあって、服装とか、スタイルとか顔とかメイクとか。それがとても興味深くて、車よりもわかりやすくメーカーの特徴を表しているような気もして、おもしろかった。

以下、この展示会で気になった写真家。

Luciano Rigolini / Ray K. Metzker / Walker Evans / Alain Willaume / Robert Adams / Catherie Opie / Hans Christian Schink / Bernhard Fuchs / Stephane Couturier / Juergen Teller

とくに気になったのはLuciano RigoliniとBernhard Fuchs。ウォーカー・エバンスとかユリゲン・テラーはいいとして、それ以外の作家は日本で作品集手に入るんだろうか。Stephane Couturierさんの写真とかめちゃんこすごかったけど。