読書・論考

170614_写真についてのノート③ それは=かつて=あった

写真についてのノート③ ●『明るい部屋』のつづき。後半戦は「前言撤回」によって始まる。 《かくして私は写真から写真へと遍歴を重ね、なるほど自分の欲望がどのように働くのかを知ったが、しかし私は「写真」というものの本性(エイドス)を発見したわけでは…

170609 写真についてのノート② プンクトゥムについて

写真についてのノート② ●前回からの続き。バルトの「プンクトゥム」を補助線に、“目”をいかに制作していくのかという方法論について言及してみたいと思う。 ●写真を、自分がそのときに見ているイメージに近づけるようなかたちで撮ることは、なんだかつまらな…

170608 写真のためのノート① 目の制作について

写真のためのノート① ●僕は写真はまるっきり門外漢なのだけど、このごろ写真を撮っていて、実際撮るからこそ気づくこととか感じたことが色々あったので、言語化してみようかと思う(何パートで完結するかわからないけれど)。写真を通した、建築へのアプローチ…

160329 存在論としての「建ち方」

去年取り組んだ、大学院後期の設計課題の成果が本としてまとめられた。過去の著名な住宅作品を各自選定し、そこに隣接して新たな住宅を設計するという課題。選定した、いわゆる名作と呼ばれる住宅(東孝光の「塔の家」や安藤忠雄の「住吉の長屋」、篠原一男の…

160324 人類学者のスケール論②

人類学は、20世紀後半にはすでに、多元的な世界についての見方からポスト多元的と呼べるような見方へと移行している。私の説明もこの意向に倣ったものである。無数のパースペクティヴが生み出す増殖効果への気づきは、置換効果への気づきへと至り、そこで…

160323 人類学者のスケール論①

現在僕は、所属している研究室で長年行われてきた「スケール(尺度)」についての研究をまとめ、8月を目処に出版することを目指して作業している。そういうこともあって、マリリン・ストラザーンの「部分的つながり」(水声社)の冒頭で展開される「スケール」に…